2025年7月16日、トヨタ自動車が発表したニュースは、多くのトヨタ車オーナーに衝撃を与えました。
人気車種の「アルファード」「ハリアー」「クラウン」などを含む合計21車種、約64万台という大規模なリコール。その原因は、運転の要であるスピードメーターなどが表示される運転席前のディスプレイが、映らなくなる恐れがあるというプログラムの不具合です。
このニュースを見て、
「自分の車も対象なんじゃ…?」
「もし対象だったら、まず何をすればいいの?」
「修理って無料なの?すごく時間がかかったりしない?」
といった不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
ご安心ください。この記事では、トヨタの公式発表や国土交通省の情報を基に、トヨタのリコールに関する対応手順のすべてを網羅的に解説します。
この記事を読み終える頃には、
- リコール対応の全体像
- 自分の車が対象かどうかの確認方法
- 修理完了までの具体的な手順
- 費用や期間、代車などの気になる疑問
これらすべてが明確になり、次に何をすべきか迷わず、冷静に対応を進められるようになります。
まずは、今回のリコールの概要から確認していきましょう。
【速報】2025年7月・トヨタ大規模リコールの概要
ここでは、まず何が起きているのか、今回のリコールの全体像を正確に把握しましょう。ご自身の状況を客観的に理解することが、冷静な対応への第一歩です。
対象は21車種・約64万台!原因はメーターのプログラム不良
トヨタ自動車の公式発表によると、今回のリコールは2025年7月16日に国土交通省へ届け出られました。リコールの詳細な情報は、国土交通省の公式サイトでも確認することができます。
- 対象台数: 約64万台
- 対象車種: アルファード、ハリアー、クラウン、プリウス、ノア、ヴォクシー、シエンタなど合計21車種
- 原因: 運転席前にあるメーター(コンビネーションメータ)のプログラムが不適切なため、長期間の使用により画面が映らなくなる可能性がある。
- 不具合報告: この原因に関する不具合は33件報告されていますが、2025年7月時点で、この不具合による事故の発生は確認されていません。
速度などの重要情報が見えなくなるのは非常に危険です。そのため、メーカーが責任をもって無償で修正・修理を行うのが「リコール制度」です。
対象車種の一覧と確認の重要性
今回の対象は、人気のミニバンからセダン、SUV、コンパクトカーまで幅広く含まれています。
【主な対象車種(一部)】
- アルファード / ヴェルファイア
- クラウン
- ハリアー
- プリウス
- ノア / ヴォクシー
- シエンタ
- カローラ / カローラツーリング / カローラスポーツ
- ヤリス / ヤリスクロス
- アクア
- MIRAI
- bZ4X
上記はあくまで一部です。同じ車種名でも、型式や製造期間によって対象かどうかが異なります。
「自分の車種がリストにあるかも」と少しでも思ったら、次のステップで必ずご自身の車が対象かどうかを正確に確認してください。
今回のリコールでは20車種以上が対象となっており、ご自身の車が含まれているか不安な方も多いでしょう。
アルファードやハリアー、カローラといった主要車種はもちろん、レクサスの一部車種まで、対象となる全車種のリストと、それぞれの製造期間などの詳細情報を以下の記事で詳しくまとめています。まずはこちらでご自身の車種がリストにあるかご確認ください。
→【全23車種一覧】2025年7月トヨタ大規模リコールの対象車種と詳細な確認方法はこちら
【補足】トヨタからの「公式通知」は後日ハガキでも届きます
「ニュースで見たけど、トヨタから何の連絡も来ていない」と不安に思う方もいるかもしれません。
通常、リコールの対象となる車の所有者には、自動車検査証(車検証)の情報を基に、後日メーカーからダイレクトメール(圧着ハガキなど)で正式な通知が郵送されます。
そのため、今すぐ連絡がなくても焦る必要はありません。しかし、通知を待つ前にご自身で確認し、早めに対応を予約することで、修理の待ち時間を短縮できる可能性があります。
【最初にやること】自分の車がリコール対象か確認する3ステップ
ここからは、今回のリコールであなたが最初にやるべき具体的なアクションを解説します。トヨタの公式ウェブサイトを使って、簡単・確実にあなたの車が対象かどうかを確認できます。
STEP1:車検証を用意して「車台番号」を確認する
まず、お手元に愛車の自動車検査証(車検証)をご用意ください。
車検証の中に「車台番号」という欄があります。ここに記載されている英数字の組み合わせが、あなたの車の個別の識別番号です。この番号を使って検索します。
(ここに車検証のサンプル画像と「車台番号」を指し示すキャプションを挿入するイメージ)
STEP2:トヨタ公式サイトの検索ページに車台番号を入力する
次に、トヨタ自動車が用意している公式の検索ページにアクセスします。以下のリンクから直接ページを開くことができます。
ページを開くと、車台番号を入力するフォームがありますので、先ほど車検証で確認した番号を正確に入力してください。
(ここに公式サイトの検索フォームのスクリーンショットを挿入するイメージ)
STEP3:検索結果を確認する(画面の見方も解説)
車台番号を入力して検索ボタンを押すと、結果が表示されます。
- 「ご愛用車はリコールの対象です」といった表示が出た場合:
あなたの車は今回のリコール対象です。表示されたリコールの内容を確認し、次の「リコール対象だった場合の対応手順」へ進んでください。 - 「ご愛用車は現在、リコールの対象ではございません」といった表示が出た場合:
あなたの車は、現時点ではリコールの対象外です。ご安心ください。
これで、あなたの車が対象かどうかが明確になりました。
リコール対象だった場合の対応手順【完全ガイド】
検索の結果、あなたの車がリコール対象だった場合の具体的な対応手順を解説します。やるべきことは主に「予約」と「修理・更新」の2つです。焦らず、一つずつ進めていきましょう。
手順1:販売店(ディーラー)に修理を予約する【予約方法まとめ】
リコールの修理は、お近くのトヨタ販売店(ディーラー)で行います。まずは修理の予約を取りましょう。予約方法は主に3つあります。
- オンライン予約:
購入した販売店やお近くのトヨタ販売店のウェブサイトから、オンラインで入庫予約ができます。24時間いつでも申し込めるのがメリットです。 - 公式アプリ「TOYOTAアプリ」からの予約:
スマートフォンに「TOYOTAアプリ」をインストールしている場合、アプリ上から簡単に入庫予約が可能です。 - 電話予約:
もちろん、直接ディーラーに電話して予約することもできます。その際、以下の点を伝えるとスムーズです。- 「リコールの修理で予約したい」ということ
- 車種と車台番号
- リコールの通知ハガキがあれば、そこに記載されている「リコール届出番号」
電話予約の際は、手元に車検証を準備しておくと、車台番号などをすぐに答えられるのでおすすめです。
手順2:予約日に車を入庫、または自宅でOTA(ソフトウェア更新)
予約した日時に、車を販売店へ持ち込みます。
当日は、作業内容の最終確認などが行われ、修理が開始されます。
ただし、今回のリコールの原因は「プログラムの不具合」であるため、一部の車種ではディーラーに車を持ち込む必要がなく、自宅でソフトウェアを更新する「OTA(Over-The-Air)」という方法で対応が完了する場合があります。
OTA(ソフトウェア更新)とディーラー修理の違いとは?
今回のリコール対応は、大きく分けて2つのパターンがあります。
- OTA(ソフトウェア更新)による対応:
- 対象: 通信機能を搭載した一部の車種
- 場所: 自宅など、どこでも可能
- 内容: 車の通信機能を使って、新しいソフトウェアをダウンロードし、プログラムを更新します。スマートフォンのOSアップデートのようなイメージです。
- メリット: ディーラーに行く手間が省ける。
- 注意点: OTAでの更新ができない場合は、ディーラーでの対応が必要です。
- ディーラーでの修理・更新:
- 対象: 全ての対象車種(OTA非対応の車種や、物理的な部品交換が必要な場合)
- 場所: トヨタ販売店(ディーラー)
- 内容: 専門の整備士が、専用の機器を使ってプログラムを更新したり、必要に応じて部品を交換したりします。
- メリット: プロに任せられるので確実・安心。
- 注意点: ディーラーまで車を持っていく必要がある。
ご自身の車がどちらの対応になるかは、リコールの通知や販売店への予約時に確認できます。
トヨタのリコール対応|費用・期間・代車の気になる疑問Q&A
リコールの対応手順は分かったけれど、費用や時間など、気になる点はまだありますよね。ここでは、よくある疑問にQ&A形式でお答えします。
- QQ1. 修理やアップデートの費用はかかる?
- A
A. いいえ、一切かかりません。完全無料です。
リコールは、自動車メーカーが自社の製品の設計・製造過程に起因する問題点を改善するために行うものです。
道路運送車両法という法律に基づき、その修理や改修にかかる費用はすべてメーカーが負担することが義務付けられています。
この法律により、ユーザーは安心して無償修理を受けることができます。
部品代や作業工賃などを請求されることは絶対にありませんので、ご安心ください。
- QQ2. 修理にかかる時間はどれくらい?
- A
A. 内容によりますが、30分~2時間程度が目安です。
- OTA(ソフトウェア更新)の場合: 約20~40分
- ディーラーでのプログラム更新の場合: 約30分~1時間
- メーターなど物理的な部品交換を伴う場合: 約1時間~2時間
ただし、これはあくまで作業そのものの時間です。
トヨタの公式発表によると、一部の車種では対策部品の準備に時間がかかり、準備が整い次第の案内となるケースや、部品の在庫がなく取り寄せに2週間前後かかるケースもあるとされています。正確な所要時間については、予約時にディーラーに確認するのが確実です。
- QQ3. 修理中に代車は借りられる?
- A
A. ディーラーの判断によりますが、借りられる場合が多いです。
リコール修理で車を預ける時間が長くなる場合(半日以上や、部品取り寄せで数日間かかる場合など)、多くのディーラーでは無償で代車を用意してくれます。
ただし、これは法律で義務付けられているわけではなく、あくまで販売店のサービスの一環です。代車の数には限りがあるため、必ず借りられるとは限りません。
修理に時間がかかりそうで代車が必要な場合は、必ず予約時に「代車は借りられますか?」と事前に相談・確認しておきましょう
- QQ4. 中古車で購入した場合も対象になる?
- A
A. はい、中古車で購入した場合でも全く同じように無償でリコール対応を受けられます。
リコールは「人(所有者)」ではなく「車(車台番号)」に対して行われる制度です。
そのため、その車が新車であろうと中古車であろうと、あなたが正規の所有者であれば、誰でも平等に、無料で修理を受ける権利があります。中古車だからと遠慮する必要は一切ありません。
【重要】もしリコールを無視したら?知っておくべき3つのリスク
「特に今すぐ困っていないし、対応は面倒だな…」と感じる方もいるかもしれません。しかし、リコールを無視(放置)することには、以下のような明確なリスクがあります。
リスク1:安全上の問題(事故につながる可能性)
最も大きなリスクは、言うまでもなく安全性の問題です。
今回のケースでは「走行中にメーターが表示されなくなる」という不具合です。速度や警告灯が見えなくなれば、速度超過や車の異常の見逃しに繋がり、重大な事故を引き起こす可能性があります。メーカーが「危険性がある」と判断してリコールを出している以上、絶対に対応すべきです。
リスク2:車検に通らなくなる可能性がある
リコールで指摘された不具合は、道路運送車両法の保安基準に適合しなくなる可能性があるものです。
リコールが未対応のままだと、将来的に車検を受けた際に、その不具合が原因で「保安基準不適合」と判断され、車検に通らなくなる恐れがあります。
リスク3:売却時の査定額に影響が出ることも
将来的に車を売却する際、リコールの対応が未実施であることは、中古車査定でマイナス評価となる可能性があります。
次の所有者が結局リコール対応をしなければならないため、その手間やリスク分が査定額から差し引かれるのは当然と言えるでしょう。愛車の資産価値を維持するためにも、リコールは速やかに受けておくべきです。
まとめ:トヨタのリコールは冷静な対応を
今回は、2025年7月に発表されたトヨタの大規模リコールについて、その対応手順を網羅的に解説しました。
最後に、重要なポイントを振り返ります。
- リコールの概要: 21車種・約64万台が対象。原因はメーターのプログラム不良。
- 最初にやること: 車検証を用意し、トヨタ公式サイトで車台番号を検索して対象か確認する。
- 対応手順: 対象ならディーラーに予約。OTA更新かディーラーでの修理を行う。
- 費用・時間: 費用は完全無料。時間は内容によるが30分〜2時間程度が目安。
- 重要性: リコールを無視すると、安全・車検・査定額の面でリスクがある。
リコールと聞くと不安に感じるかもしれませんが、これはメーカーがユーザーの安全を第一に考え、責任を果たそうとしている証拠でもあります。
この記事を参考に、まずはご自身の愛車が対象かどうかを確認することから始めてみてください。手順通りに進めれば、何も難しいことはありません。冷静に対応していきましょう。
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