中国から仕入れている部材が、急に「出せない」って言われたんだけど……。2026年の新しい規制のせいかな?
その可能性は極めて高いですね。今、中国の「両用物品 輸出管理 リスト」が激変していて、特に日本向けは「第1号公告」という特別なルールで狙い撃ちされている状態なんです。
中国ビジネスを行う上で、「両用物品 輸出管理リスト」の動向を無視することはもはや不可能です。特に2026年に入り、日本向け規制が電撃的に強化されたことで、現場の混乱は極致に達しています。「突然、部材が届かなくなった」「通関で止められたが理由がわからない」といった悲鳴が、あちこちの貿易現場で上がっています。
この記事では、2026年度版の最新リストの内容から、物議を醸している「第1号公告」の正体、そして実務者が最も苦労する「HSコードとの照合手順」までを体系的に解説します。
中国商務部の一次情報、JETROの最新レポート、そして実務担当者の生々しい通関トラブル事例を基に、机上の空論ではない「生き残るためのコンプライアンス」を提示します。
この記事でわかること
- 両用品目輸出管理リストと輸出入許可証管理目録の決定的な違い
- 日本向け特別規制「商務部2026年第1号公告」が狙い撃ちする対象
- なぜHSコードだけでは不十分なのか?輸出管理コードによる照合ステップ
- 中国版ブラックリスト「不可信頼実体リスト」に掲載されるレッドライン
- 中国原産素材の「域外適用」リスクから自社サプライチェーンを守る方法


2026年施行「両用物品輸出管理リスト」の概要と法改正のポイント
新しいリストが施行されたって聞いたけど、そもそも「両用物品」って何を指すの?
「軍事にも民生にも使える技術やモノ」のことです。2026年からはその範囲がグッと広がって、今まで普通の製品だと思っていたものが規制対象になっているんですよ。
中国の輸出管理は、今やグローバルサプライチェーンの要所を握る巨大な壁となっています。まずは、2026年に施行された新たなルールの全体像を整理しましょう。
中国輸出管理の全体像:法令・リスト・目録の関係性
中国の両用品目輸出管理は、「両用品目輸出管理条例」(2024年12月1日施行)を憲法のような上位概念として、その下に具体的な品目を定めるリストがぶら下がる構造になっています(出典: JETRO)。
実務者が特に注意すべきは、以下の2つの使い分けです。
【リストと目録の違い】
- 両用品目輸出管理リスト(2024年版):
- 役割: 「何が両用品目か」を定義する基礎。各品目に5桁の輸出管理コードを付与。
- 構成: 用語定義、10分類・5類型(システム、設備、材料、ソフト、技術)に基づく一覧(出典: JETRO)。
- 両用品目・技術輸出入許可証管理目録(2026年度版):
この二段階構造を理解していないと、「リストには載っているけど目録にはないから大丈夫」といった誤解や、その逆のミスを招くことになります。
2026年度版で何が変わった?追加された主要品目と影響
2026年1月1日に施行された最新の目録では、管理対象が輸出用1122項目、輸入用151項目と、前年度の合計から大幅に拡大しました(出典: CISTEC)。
【用語解説】両用物品(デュアルユース)
本来は民生用として開発されたものの、高性能ゆえに武器や軍事施設への転用が可能な物品や技術のことです。
2026年度版で特に追加・調整が目立つのは以下の分野です。
- 専用材料: 半導体や電子部品の製造に不可欠な特殊化学材料やレジスト(出典: REACH24H)。
- 関連設備: 高精度の工作機械や、特定の検査装置・測定機(出典: TMI総合法律事務所)。
- 先端技術: 航空宇宙や通信に関連する機微なソフトウェア。
これらの追加により、日本の自動車、精密機械、電機メーカーは、自社の原材料調達ルートや部材供給元が、知らぬ間に「許可が必要な取引」に変わっていないか、最新版での再判定が必須となっています。
【2026年施行リストのポイントまとめ】
- 「管理リスト」で対象を定義し、「年度目録」で許可証の要否を決める二段構え。
- 2026年度版では半導体材料や精密機械など、900品目超まで規制が拡大。
- 毎年1月1日の目録更新に合わせた「全型番再判定」が企業の義務となりつつある。
【電撃発表】商務部2026年第1号公告とは?仕組みをわかりやすく解説
日本向けだけ特に厳しくなるってニュースで見たけど、どういうこと?
2026年1月6日に出された「第1号公告」のことですね。これが厄介なのは、中身が凄く「曖昧」にされている点なんです。
2026年の年明け早々、貿易実務界に激震が走りました。それが、中国商務部が公布した「2026年第1号公告」です。この公告が日本企業にとってどれほどのリスクを孕んでいるのか、その仕組みを紐解きます。
日本向け限定の「追加フィルター」:軍事用途等への輸出禁止
第1号公告の核心は、「日本向け」の両用物項に関し、軍事用途等に用いられる場合は輸出を禁止するという特別措置です(出典: マイナビTECH+)。
通常の両用品目であれば、商務部の「許可」を得れば輸出可能です。しかし、この公告により、日本向けに限っては以下の条件に触れると「許可申請すらできない(=禁止)」という極めて厳しい状態になります。
【「軍事用途等」の具体例】
- 最終ユーザー: 日本の防衛省、自衛隊、あるいは軍事関連の研究機関。
- 最終用途: 兵器の製造だけでなく、軍事インフラ(基地など)への直接利用。
- 戦略的影響: 中国側が「日本の軍事・戦略的能力を明らかに高める」と判断した取引(出典: 大江橋法律事務所)。
この規制の恐ろしさは、具体的な「禁止品目リスト」が番号で示されていない点にあります。「デュアルユース品目全体」という広い網をかけつつ、運用側がその都度「これは日本向けで怪しい」と判断できる余地を残しているのです。
なぜ今、対日規制なのか?専門家が分析する中国の意図
このタイミングでの規制強化は、単なる事務的な変更ではありません。専門家の多くは、日本の「経済安全保障推進法」による規制や、日米間での先端技術連携に対する対抗措置であると分析しています(出典: JETRO)。
また、中国側に依存している特定の部材をカードにすることで、外交的な優位に立とうとする「経済的威圧」の側面も否定できません。日本企業にとっては、政治的な動向によって自社のサプライチェーンが突然遮断されるという、極めて不安定な経営環境に置かれたことを意味します(出典: NRI)。
【商務部2026年第1号公告まとめ】
- 日本向けに限った、軍事用途の疑いによる「輸出禁止」の特別措置。
- 番号付きの対象リストがなく、運用がブラックボックス化している。
- 政治・外交的な意図が強く反映されており、予測可能性が極めて低い。
HSコードと管理目録番号の照合手順:見落としを防ぐチェックポイント


うちはいつも「HSコード」で管理してるから大丈夫だと思うけど……。
それが一番危ないんです! 中国の輸出管理では「HSコード一致=安全」という常識は通用しませんよ。
日本の輸出実務者が最も陥りやすい罠が、HSコードへの過信です。なぜHSコードだけでは不十分なのか、そして正しい照合の手順を解説します。
落とし穴:HSコードは「該否判定の根拠」にならない?
JETROの解説によれば、「HSコードは税関分類上のコードであり、両用品目の該否判定の参考情報にとどまる」と明言されています(出典: JETRO)。
【理由:性能と仕様の壁】
例えば、同じ「集積回路(半導体)」というHSコードに分類される製品であっても、その中の「動作温度範囲」や「演算速度」がリストの基準値を1ミリでも超えれば規制対象になり、超えなければ非対象になります。つまり、HSコードが同じでも、性能(パラメータ)次第で運命が分かれるのです。
中国商務部もQ&Aで、「必ず輸出管理コードとリストの記載内容を確認せよ」と、HSコードベースの判断を戒めています(出典: JETRO)。
【実践】自社製品を正しく判定する5つのステップ
不測の通関ストップを避けるため、以下の手順で厳密な照合を行ってください。
単なる品名だけでなく、設計仕様書やBOM(部品表)から、周波数、解像度、使用素材、動作環境などの具体的パラメータを抽出します。
CISTECの仮訳リスト等を用い、自社製品が10分類(電子機器、材料加工等)のどこに近いかを探し、該当する5桁コードを特定します(出典: CISTEC)。
特定したコードが、最新の「輸出入許可証管理目録」に含まれているか確認します。載っていれば、許可証の申請が必須です。
第1号公告を意識し、取引先が軍関連組織でないか、最終的な使い道が「軍事用途」に転用されないかを精査します。
判定に至った根拠(どの項目のどの数値を参照したか)を社内の判定書に残し、責任者の承認を得て保存します。
【HSコードと照合実務まとめ】
- HSコードはあくまで「参考」。5桁の「輸出管理コード」による判定が必須。
- スペックの微細な違い(しきい値)を見落とすと、通関で即保留される。
- 判定結果だけでなく「判定に至ったプロセス」を記録に残すことが自衛になる。
【要注意】不可信頼実体リストとは?指定基準と回避策を解説
最近よく聞く「不可信頼実体リスト」って、要するにブラックリストのこと?
そうです。でも、ただのリストじゃありません。これに載ると、中国とのビジネスが完全に「遮断」されるという、凄まじい破壊力があるんです。
対中ビジネスにおける最大のリスクの一つが、中国版の制裁リストである「不可信頼実体リスト(信頼できないエンティティ・リスト)」制度です。
制裁対象になる「レッドライン」:何が中国の逆鱗に触れるのか
この制度は、中国企業の合法的権益を損なったり、中国の国家主権・安全に危害を与えたりした外国企業を対象にします(出典: JETRO)。
【リスト掲載のレッドライン】
- 正常な取引の中断: 米国の制裁に従う形で、一方的に中国企業との契約を破棄する行為。
- 差別的措置の実施: 中国企業に対してのみ、不当に厳しい条件を突きつける行為。
- 国家安全への危害: 中国の主権や発展利益を脅かすような活動への関与(出典: City-Yuwa)。
ひとたび掲載されれば、中国との輸出入が禁止されるだけでなく、中国内への投資禁止、関係者の入国禁止、さらには多額の罰金が科される可能性があります(出典: CISTEC)。
実例から学ぶ:日本企業が巻き込まれないための自衛策
特に日本企業が注意すべきは、「米国制裁と中国規制の板挟み」です。
【ケース:板挟みの苦悩】
日系大企業の法務担当者はこう漏らします。
「米国制裁に従って中国企業との取引を止めれば、中国側から『信頼できないエンティティにするぞ』と脅される。米国に逆らえばドル決済が死ぬし、中国を怒らせれば市場が閉じる。どっちの怒りがマシか選ぶだけの、地獄の二択です(出典: 法務系ブログ)。」
このリスクを回避するには、場当たり的な対応を避け、「客観的な法的根拠」に基づいて判断を下す姿勢が不可欠です。
例えば、契約書に「いずれの国・地域の法的規制にも違反しないこと」を共通の前提として明記し、自社の行動が「特定国への差別」ではなく「世界的なコンプライアンスの遵守」の結果であることを、論理的に説明できる準備をしておく必要があります。
分析していて痛感するのは、このリストが「見せしめ」の性質を強く持っていることです。
日本企業としては、自社の取引が「中国の安保を害する」と解釈されないよう、情報の出し方一つにも最新の注意を払う必要があります。
【不可信頼実体リスト活用まとめ】
- 中国の権益を損ねた外国企業を市場から排除する強力な制裁枠組み。
- 米中制裁の板挟みにおいて、「一方的な差別」と見なされないロジック構築が重要。
- 指定された際の影響は甚大であり、経営層を含めたリスク評価が欠かせない。
日本企業が注意すべき「域外適用」リスクとサプライチェーンへの影響


日本国内で中国製の材料を使って製品を作っている場合も、中国の法律が関係あるの?
大いに関係あります。「域外適用」という考え方があって、中国の外で作られたものでも、中国の影が少しでもあると中国法の手が伸びてくるんですよ。
中国の輸出管理法の恐ろしさは、中国国内だけでなく「中国の外」での行為にも牙を剥く点にあります。これが「域外適用」と呼ばれるリスクです。
中国原産素材の「呪い」?日本で作っても中国法が及ぶケース
中国輸出管理法第44条には、「外国の組織・個人が中国の輸出管理措置に違反し、国家安全に危害を及ぼした場合、法的責任を追及できる」と明記されています(出典: 企業法務ナビ)。
【リスクシナリオ:再輸出の罠】
例えば、日本企業が中国から輸入したレアアースを使って高性能モーターを作り、それを第三国(例:ベトナム)へ輸出したとします。
そのモーターがベトナムからさらに「中国が懸念する国」へ再輸出された場合、中国側は「日本企業が管理品目の不適切な流出に関与した」として、日本企業を制裁対象にする可能性があります(出典: AI法律事務所)。
「日本で作った製品だから日本の法律だけでいい」という考えは、もはや通用しません。中国原産の素材や技術が含まれている限り、その「行き先」を最後まで見届ける責任を中国から問われるのです。
サプライチェーンの「血筋(BOM)」をどこまで遡るべきか
このリスクに対応するため、現場ではかつてないほど詳細なBOM(部品構成表)の管理が求められています。
【現場の傾向:レアアース管理の不安】
中堅製造業の技術担当者は、連日のチェックに追われています。
「『中国原産が0.1%でも入ってたらアウトなのか?』という不安が消えません。レアアースのニュースが出るたびに、全パーツの『血筋』を夜中まで遡ってチェックしています。日本工場で作っていても『中国の子』というレッテルを貼られるのは、正直やってられません(出典: 業界フォーラム)。」
このようなリスクを背景に、多くの日本企業が「チャイナ・プラス・ワン(中国以外の調達先確保)」を急いでいますが、長年築き上げたサプライチェーンを即座に変えることは難しく、当面はこの「域外適用の恐怖」と付き合い続けるしかありません。
【域外適用リスクまとめ】
- 中国国外での違反行為に対しても、中国法が責任を追及できる規定がある。
- 中国原産の素材・技術を含む製品は、第三国への再輸出時も常に監視対象となる。
- 「血筋(原産地)」をどこまで管理できるかが、将来の制裁リスクを分ける。
違反時の罰則とリスク:中国当局による制裁事例と対抗措置
もしうっかり間違えて輸出してしまったら、どうなるの? 怒られるだけで済むのかな?
残念ながら、そんなに甘くありません。工場のラインが止まったり、最悪の場合は二度と中国と取引できなくなったりする、致命的な事態になりますよ。
輸出管理の違反は、企業の存続を揺るがす深刻な事態を招きます。実際のトラブル事例から、その重みを知っておきましょう。
現場の悲鳴:[体験談 A-1] HSコードを過信して通関で止まった日
「後出しジャンケンで負けた気分だ」と語るのは、日系メーカー中国子会社の担当者です。
【体験談:ブラックボックス化した通関】
「いつも通りのHSコードで申告したのに、突然税関から電話があって『これは新しい両用品目の管理コードに該当する』と言われました。ステータスは『審査中』から一向に動かず、工場のラインは止まるし、日本本社からは『何やってるんだ』と詰められるしで、胃に穴が開くかと思いました(出典: 貿易実務フォーラム)。」
このように、中国の通関は一度「グレー」と判断されると、理由も期間も明かされないまま長期保留される「ブラックボックス」と化します。
企業ブランドへのダメージと市場アクセス権の喪失
目に見える罰金や遅延損害金だけでなく、最も恐ろしいのは「市場アクセス権の喪失」です。
一度「不可信頼実体リスト」や、それに類するウォッチリストに掲載されれば、中国国内のあらゆる企業から取引を敬遠されます。中国のサプライヤーも、制裁対象企業に部材を売ることで「自分たちも連座させられる」ことを極度に恐れるからです。許可不取得による出荷拒否は、単なる納期遅延ではなく、「その市場からの永久追放」に繋がりかねないのです。
【違反時のリスクまとめ】
- 通関での長期保留により、生産ライン停止や多額の違約金が発生する。
- 一度「目を付けられる」と、全ての取引において執拗な審査を受けることになる。
- 最大のリスクは「中国市場からの排除」であり、ブランド価値が失墜する。
今後の展望:リスト規制のさらなる拡大と企業が取るべき監視体制
これから先、規制は少しは落ち着くのかな? それとももっと厳しくなる?
落ち着くどころか、ますます複雑になるでしょうね。先端技術を巡る各国の主導権争いが続く限り、リストは「増え続ける」と考えたほうが自然ですよ。
変化し続ける中国規制に対し、企業はどのような姿勢で臨むべきでしょうか。3〜5年先を見据えた戦略的な監視体制について考えます。
毎年末の「目録改訂」と「臨時公告」への即応体制
中国の輸出管理は、12月末の定例改訂(翌年1月1日施行)に加え、2026年第1号公告のような「臨時公告」がいつ飛び出すかわからないという、高い動的なリスクを持っています。
【推奨される社内ガバナンス】
- リスク委員会の設置: 法務、貿易管理だけでなく、営業や調達部門も巻き込み、横断的に情報を共有する。
- 外部リソースの活用: CISTECのジャーナルやJETROの短信、さらには専門法律事務所のニュースレターを「能動的」にキャッチアップする。
- サプライヤーとの対話: 「公告が出たから様子見」と言われないよう、日頃からエンドユーザー証明の形式や情報開示の範囲について、中国側サプライヤーと合意形成しておく。
中国向けコンプライアンス地図の作成:3〜5年先を見据えた戦略
これからの時代、中国ビジネスを継続できるのは「中国規制という迷路の地図を持っている企業」だけです。
日本側の経済安全保障法(特定重要物資など)との整合性を取りつつ、中国側の規制も満たすという、非常に高度なスキーム設計が求められます。単なる「書類の穴埋め」という守りの姿勢から、規制動向を先読みして調達ルートを柔軟に組み替える「攻めのコンプライアンス」への転換が、企業の生存戦略となるでしょう(出典: アンダーソン・毛利・友常法律事務所)。
【今後の展望と体制まとめ】
- 年次改訂と臨時公告の両方をキャッチできる、高感度な監視網が必要。
- サプライヤーとの信頼関係を深め、エンドユーザー確認の精度を高める。
- 「地図(正確な情報とロジック)」を持つ企業だけが、中国市場で生き残れる。


両用物品輸出管理リストに関するよくある質問(FAQ)
- Q1: 中国のリストはどこで入手(日本語訳)できますか?
-
A1: CISTEC(安全保障貿易情報センター)が「中華人民共和国両用品目輸出管理リスト(仮訳)」などの資料を有償・無償で提供しています(出典: CISTEC)。
- Q2: 第1号公告の具体的な禁止品目リスト(HSコード)は公表されていますか?
-
A2: 2026年1月時点で、公式な「番号付きHSコードリスト」は公表されていません。「軍事用途等」という抽象的な定義に基づき、個別審査が行われているのが実情です(出典: マイナビTECH+)。
- Q3: 許可証の申請は日本から直接行えますか?
-
A3: いいえ、通常は中国側の輸出入当事者(現地法人や現地の取引先)が中国の商務部門に対して行います。日本側は判定に必要な技術資料や用途証明を提供して支援する形になります。
- Q4: 「軍事用途」でないことをどうやって証明すればいいですか?
-
A4: 最終ユーザーの事業内容、製品の設置場所、具体的な使用工程を詳細に記した「エンドユーザー・最終用途証明書(EUC)」を提出します。疑わしい場合は商務局への個別照会が必要になることもあります。
- Q5: 中国製部品を使って日本で組み立てた製品も、域外適用の対象ですか?
-
A5: はい、中国輸出管理法第44条に基づき、中国原産の管理品目や技術が含まれている製品の再輸出は、その「行き先」によっては中国法による法的責任を問われるリスクがあります(出典: 企業法務ナビ)。
- Q6: サプライヤーから「対日出荷停止」と言われたら、まず何をすべきですか?
-
A6: まずはその部材が2026年版の「どの輸出管理コード」に該当するのかを確認し、次に最終ユーザー情報を中国側に開示することで、第1号公告の「禁止対象」でないことを論理的に説明できるか検討してください。
次の一歩:まずは自社製品の「管理コード」を確認しよう
中国規制の波に飲み込まれないための最初のアクションは、HSコードを捨てて「輸出管理コード」と向き合うことです。自社製品がリストのどの項目(3Aなのか5Aなのか)に該当しそうか、まずはCISTECの仮訳リストを一度開いてみることから始めてください。
編集後記:不確実な時代の「中国コンプライアンス」に向き合う
情報を整理する中で最も恐ろしいと感じたのは、第1号公告における「軍事用途等」という定義のあえて残された「曖昧さ」です。白黒はっきりさせないことで、中国側はいつでも「日本向け」の蛇口を締めたり緩めたりできるカードを手にしたことになります。この不透明なルールに対峙する実務者の皆さんの孤独な戦いとプレッシャーは、想像を絶するものがあります。
しかし、同時に感じたのは、「情報収集の速度と精度」こそが、唯一の自衛手段になるという希望です。JETROやCISTECが発信する一次情報をいち早くキャッチし、それを自社のBOM(部品表)と照らし合わせる地道な作業。その積み重ねだけが、不確実な時代の荒波から自社を守る唯一の盾になります。この記事が、過酷な輸出管理の現場で戦う皆さんの「コンプライアンスの地図」の一部になれば、これほど嬉しいことはありません。
両用物品 輸出管理リストの実務ポイント総括
- 規制構造の理解
- 輸出管理コードの重要性: HSコードは参考。5桁の「輸出管理コード」こそが判定の絶対基準。
- 最新目録の参照: 毎年更新される「運用目録」で、その年の許可証要否を必ず確認。
- 日本向け特別規制(第1号公告)への備え
- 追加フィルターの認識: 日本向けは通常の許可品目でも「軍事用途の疑い」で即禁止になるリスクがある。
- 最終ユーザー審査の徹底: 形式的な書類だけでなく、取引相手の背景をどこまで深く知っているかが勝負。
- リスクの広がりと自衛
- 域外適用の管理: 中国原産素材を含む製品は、日本国内や第三国への流通時も中国法の射程に入る。
- 情報の能動的取得: 年次改訂だけでなく、突発的な臨時公告を監視する体制を整える。
- リスク管理の本質
- 客観的ロジックの構築: 対中制裁と同調の板挟みにおいて、「法令遵守の証跡」を積み上げることが唯一の防衛策。
- サプライチェーンの透明化: 「血筋(BOM)」を遡れる管理体制こそが、長期的な信頼と市場アクセスを支える。







コメント