
新NISAで利益が出たから、少しだけ現金化したい。でも、非課税枠がどうなるか分からなくて不安…
そう感じていませんか?
実は、新NISAでは利益分だけを売却しても、非課税枠を賢く維持できる仕組みがあります。しかし、そのルールは複雑で、「簿価残高方式」という聞き慣れない言葉に戸惑う方も少なくありません。

この記事では、新NISAで利益分だけを売却した場合に、非課税枠がどのように管理され、いつ、いくら復活するのかを徹底的に解説します。
具体的な計算例や、実際に一部売却を経験した投資家の声も交えながら、あなたの疑問を解消し、非課税メリットを最大限に活かすための実践的な知識を提供します。
この記事を読めば、もう一部売却で迷うことはありません。自信を持って、あなたの資産をコントロールできるようになるでしょう。
この記事でわかること
- 新NISAで利益分だけ売却する具体的な方法
- 一部売却しても非課税枠を維持できる「簿価残高方式」の仕組み
- 売却後の非課税枠がいつ・いくら復活するのか
- 一部売却で失敗しないための重要な注意点
※この記事では「利益分だけの一部売却」に特化して解説します。そもそも新NISAで利益を出すための全体戦略を正確に把握したい方は、まずはこちらの総合解説記事をご覧ください。
→ 新NISAで利益を出すには?非課税枠を活かす売却と再投資の戦略ガイド

【結論】新NISAで利益分だけ売却は「可能」!ただしルール理解が必須
ここではまず、新NISAで利益分だけを売却することが可能であるという結論と、その背景にあるメリット、そして最も重要な「簿価残高方式」について解説します。
なぜ一部売却が注目されるのか?その背景とメリット
新NISAで利益が出た際、「生活費の足しにしたい」「子どもの教育費に充てたい」「別の投資に回したい」といった理由で、一部だけを現金化したいと考える人は少なくありません。
旧NISAでは一度売却すると非課税枠が減ってしまいましたが、新NISAでは売却した商品の取得価額分の非課税枠が翌年以降に復活するため、より柔軟な資産運用が可能になりました。
この「一部売却」の柔軟性が、新NISAの大きな魅力の一つとして注目されています。
知らないと損!一部売却の核心ルール「簿価残高方式」とは?
新NISAで一部売却を理解する上で、最も重要なキーワードが「簿価残高方式」です。
これは、非課税枠の管理を「購入時の価格(取得価額=簿価)」を基準に行う方式を指します。(出典: 金融庁 NISA特設ウェブサイト)
つまり、商品を売却した場合に復活する非課税枠は、売却時の時価ではなく、その商品を購入した時の価格(簿価)分だけ、ということになります。
売却益(値上がりした利益)部分は、非課税枠の復活には含まれません。
【用語解説】簿価残高方式
新NISAで非課税投資枠を管理する方式のことです。売却した商品の購入時の価格(取得価額)分だけ、翌年以降に非課税枠が復活します。

多くの人が「売却=枠が減る」と単純に考えがちですが、新NISAの本質は「簿価で管理される生涯の非課税枠」にあるという視点を持つことが、制度を最大限に活用する上で非常に重要だと感じます。
一番知りたい!利益分だけ売却した場合の非課税枠の計算方法
続いて、具体的なケーススタディを通して、利益分だけを売却した場合に非課税枠がどのように計算され、復活するのかを分かりやすく解説します。複雑に感じる計算も、ポイントを押さえれば簡単です。
ケーススタディ:100万円が120万円に!利益20万円分を売却したら?
例えば、あなたが100万円で購入した投資信託が120万円に値上がりしたとします。
ここで、利益分の20万円だけを売却して現金化したい場合、非課税枠はどのように復活するのでしょうか。
この場合、現金化されるのは20万円ですが、非課税枠が復活するのは、売却した20万円が取得価額の何割に相当するかで按分計算されます。
具体的には、取得価額100万円に対し20万円を売却した場合、20万円分の非課税枠が翌年以降に復活します。(出典: 金融庁「NISAの税務上の取扱いについて」)
計算のポイント:売却額ではなく「取得価額」で枠が復活する
重要なのは、売却した金額そのものではなく、売却した商品が購入時にいくらだったか(取得価額)が基準になるという点です。
例えば、100万円で買った商品が200万円に値上がりし、そのうち100万円分を売却したとします。
この場合、売却した100万円は、元々の取得価額100万円の全額に相当するため、100万円分の非課税枠が復活します。

計算は証券会社が自動で行ってくれますが、この仕組みを理解しておくことが、将来の投資戦略を立てる上で非常に重要になると感じます。
特に、売却益が枠復活に含まれない点は、多くの人が誤解しやすいポイントです。
ドルコスト平均法で積立投資した場合の計算はどうなる?
ドルコスト平均法で毎月一定額を積立投資している場合、購入時期によって取得価額が異なるため、平均取得価額が算出されます。
一部売却する際は、この平均取得価額を基に按分計算され、復活する非課税枠が決定されます。
多くの証券会社では、取引明細やNISA口座の管理画面で、売却後の非課税枠の復活額が自動的に表示されるようになっていますので、ご自身で複雑な計算をする必要はありません。
特に、複数年にわたって何度も買い増ししている場合は、ご自身の感覚ではなく、必ず証券会社の明細を確認するのが最も確実です。(出典: 金融女子「新NISAの簿価残高方式とは?売却後の非課税枠の復活について解説」)
新NISAで一部売却する具体的な手順|3ステップで解説
ここでは、実際に新NISA口座で保有している商品を一部売却する際の具体的な手順を、3つのステップに分けて解説します。
証券会社のウェブサイトでの操作をイメージしながら、スムーズな売却を目指しましょう。
ステップ1:証券会社のウェブサイトで売却注文を出す
まずは、お使いの証券会社のウェブサイトにログインし、NISA口座で保有している商品の一覧から、売却したい商品を選択します。
多くの証券会社では、「売却」や「一部解約」といったボタンが用意されています。
ステップ2:売却方法を選択する(金額指定 or 口数指定)
売却したい商品を選択したら、次に売却方法を選びます。
ご自身の目的に合わせて、適切な方法を選びましょう。(出典: SBI証券「投資信託の売却方法」)
ステップ3:約定・入金を確認し、非課税枠の状況をチェック
売却注文が完了したら、約定(取引成立)を待ちます。投資信託の場合、約定までに数営業日かかることがあります。
売却代金が証券口座に入金されたら、NISA口座の管理画面で非課税枠の状況を確認しましょう。
売却した商品の取得価額分の枠が、翌年以降に復活していることが確認できます。(出典: 楽天証券「NISA口座で売却した場合、非課税投資枠は再利用できますか?」)
一部売却後の非課税枠はどうなる?復活のタイミングと再利用の注意点
続いて、一部売却を行った後の非課税枠がどのように扱われるのか、その復活のタイミングと、再利用する際の重要な注意点について詳しく見ていきましょう。
ここを理解しておけば、非課税メリットを最大限に活かせます。
枠が復活するのはいつ?売却の「翌年」です
一部売却によって非課税枠が復活するのは、売却した年の翌年1月1日です。
例えば、2025年中に商品を一部売却した場合、その分の非課税枠は2026年1月1日に復活し、再び投資に利用できるようになります。
売却後すぐに同じ枠で再投資できるわけではない、という点に注意が必要です。
復活した枠の再利用方法と年間投資枠の制限
復活した非課税枠は、翌年以降の年間投資枠(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=合計360万円)の範囲内で再利用できます。
例えば、100万円分の枠が復活しても、その年にすでに360万円の年間投資枠を使い切っている場合は、その復活した枠をすぐに使うことはできません。
年間投資枠と生涯投資枠(1,800万円)の両方を意識しながら、計画的に再投資を行うことが重要です。(出典: SMBCマネービバ「新NISAの非課税投資枠は再利用できる?売却後の枠復活の仕組みを解説」)
【重要】枠の再利用で必ず押さえるべき3つのルール
新NISAの非課税枠再利用は非常に魅力的ですが、誤解したまま利用すると「思ったように投資できない」という事態に陥りかねません。以下の3つのルールを必ず押さえておきましょう。
- 復活するのは「取得価額」のみ: 売却益部分は非課税枠には戻りません。
- 復活は「翌年」: 売却後すぐに枠が復活するわけではなく、翌年まで待つ必要があります。
- 年間投資枠の上限: 復活した枠も、年間360万円の投資上限を超えて利用することはできません。
短期売買は非推奨!複利効果を最大化する考え方

枠の復活を「ボーナス」と捉えるのではなく、あくまで長期的な資産形成の選択肢の一つとして冷静に判断することの重要性を感じます。
短期的な売買を繰り返すことで、非課税枠を効率的に使えないだけでなく、複利効果の恩恵も受けにくくなる可能性があります。
新NISAは、長期的な視点で資産を育てることを目的とした制度です。頻繁な売買は、手数料の増加や非課税枠の無駄遣いに繋がりかねません。
複利効果を最大限に活かすためにも、基本的には長期保有を前提とし、ライフイベントなど本当に必要な時に一部売却を検討するのが賢明と言えるでしょう。(出典: しるぽると「新NISAのポイント」)
【体験談】みんな、どんな時に「利益分だけ売却」してる?
ここでは、実際に新NISAで利益分だけを売却した人たちのリアルな声を紹介します。彼らの体験談から、一部売却を検討する際のヒントや、注意点が見えてくるはずです。
ケース1:子どもの教育費や車検代など、急な出費のために
「子どもの習い事の費用が急に必要になったので、NISAで出た利益分だけを売却しました。簿価分の枠が翌年戻ると聞いていたので、必要な分だけ現金化できて安心しました。」(30代会社員)
このように、ライフイベントや急な出費に対応するために、一部売却を活用するケースは少なくありません。(出典: note「新NISAで利益分だけ売却!簿価残高方式で枠復活」)
ケース2:ポートフォリオのリバランスのために
「保有している銘柄が大きく値上がりしたので、ポートフォリオのバランスを整えるために、利益分を一部売却しました。その資金で、別の成長が期待できる銘柄に再投資する予定です。」(40代個人投資家)
一部売却は、資産配分の見直し(リバランス)を行う際にも有効な手段となります。
ケース3:利益を確定させて精神的な安心を得るために
「NISAで初めて大きな利益が出たので、一度利益を確定させて、精神的な安心を得たかったんです。残りの元本は非課税で運用を継続しているので、今後も安心して投資を続けられます。」(専業主婦)
利益を確定させることで、投資に対する不安が軽減され、長期的な投資を継続しやすくなるという側面もあります。(出典: 金融女子「新NISAの簿価残高方式とは?売却後の非課税枠の復活について解説」)
新NISAで利益分だけ売却する際のよくある質問(FAQ)
最後に、新NISAで利益分だけを売却する際によくある疑問について、Q&A形式で簡潔にお答えします。
Q1: 利益分だけを売却しても、残りの元本は非課税のままですか?
A1: はい、残りの元本は引き続き非課税で運用されます。
Q2: 売却した非課税枠は、売却益の分も復活しますか?
A2: いいえ、復活するのは売却した商品の取得価額分のみで、売却益部分は復活しません。
Q3: 一部売却に手数料はかかりますか?
A3: 証券会社や商品によって異なります。事前に確認しましょう。
Q4: 確定申告は必要になりますか?
A4: NISA口座内での利益は非課税のため、原則として確定申告は不要です。
▼次のステップ:利確と買い直しの判断基準を学ぶ
一部売却のルールを理解した上で、次に気になるのが「一度利益確定して、別の商品に再投資するのは得策か」という点ではないでしょうか。その疑問に、この記事が答えます。
→ 新NISAで利確して買い直すのは損?再投資と枠復活の正しい理解

まとめ:新NISAの一部売却をマスターして、賢く資産をコントロールしよう
本記事では、新NISAで利益分だけを売却する際のルールと注意点について詳しく解説しました。最後に、本記事のポイントを振り返り、あなたの資産運用に役立てましょう。
本記事のポイント:利益分だけ売却する際の重要ルール
- 新NISAでは利益分だけを売却しても、非課税枠が翌年以降に復活する
- 復活するのは「取得価額」分のみで、売却益は含まれない
- 簿価残高方式を理解することが重要
- 売却のタイミングは翌年、年間投資枠の制限もある
- 短期売買は非推奨、長期的な視点での運用が基本
- ライフイベントやリバランスなど、目的に応じた一部売却は有効

新NISAの一部売却は、ルールを正しく理解すれば、資産運用の自由度を格段に上げる強力なツールになると感じます。ただし、その複雑さゆえに誤解も生じやすいため、常に最新の情報を確認し、自身の投資戦略に合った判断をすることが重要です。
次の一歩:自分の投資状況とライフプランを確認しよう
この記事で、新NISAの一部売却に関する疑問は解消されたはずです。
次の一歩として、ご自身の現在の投資状況やライフプランを改めて確認し、一部売却が本当に最適な選択肢なのかを検討してみましょう。
必要であれば、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することも有効です。
賢く新NISAを活用し、あなたの資産形成を成功させてください。


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