
「ソフトバンクの株価って、昔すごく高かったり、逆に暴落したりしたって聞くけど、一体何があったの?」
ソフトバンクの株価推移を調べると、ジェットコースターのような値動きに驚きますよね。ITバブルの熱狂、リーマンショックの絶望、そしてAI時代への転換期。
単なるチャート表示では、その裏に隠されたドラマや、当時の投資家たちの感情までは見えてきません。

この記事では、単なるチャート表示では終わらせません。ITバブルの熱狂からリーマンショックの絶望、そしてAI時代への転換まで、ソフトバンク 株価 推移が動いた「なぜ?」を20年以上の長期的な視点で徹底的に解き明かします。
【重要】本記事で「20年チャート」として言及する過去の株価推移は、主にソフトバンクグループ(9984)の歴史を含みます。ソフトバンク株式会社(9434)は2018年12月に上場したため、それ以前の歴史的イベントは9984の株価動向として解説し、2018年以降は9434の株価推移として分析します。
過去の経済ニュースや公式IR、当時の投資家の声を基に分析することで、単なる歴史の振り返りではなく、未来のニュースを見る目が変わるような深い洞察を提供します。
この記事を読み終える頃には、ソフトバンク株の歴史的背景を完全に理解し、今後の市場動向を読み解くヒントを得られるはずです。
この記事でわかること
- ソフトバンク株価、20年の歴史的な推移の全体像
- ITバブルで株価が100倍以上になった理由と、その後の崩壊
- リーマンショックで株価が半値以下になった背景
- 過去の大型買収や株式分割が株価に与えた影響
※この記事では「ソフトバンク株価の歴史的推移」に特化して解説します。配当や将来性まで含めた「ソフトバンク株価の全体像」を正確に把握したい方は、まずはこちらの総合解説記事をご覧ください。
→ ソフトバンク株価(9434)の今後を完全予測!推移・配当・AI予想を徹底解説

ソフトバンク株価推移の全体像|20年間の歴史をチャートで振り返る
ここでは、ソフトバンクの株価がどのように変動してきたのか、20年以上の長期チャートを基にその全体像を把握します。主要な経済イベントが株価に与えた影響を時系列で見ていきましょう。

この20年のチャートは、単なる株価の動きではなく、日本のIT・通信業界の歴史そのものだと感じます。ソフトバンクの株価推移は、まさに時代の変化を映し出す鏡と言えるでしょう。
【全体像】2000年から現在までの株価推移チャート
ソフトバンクの株価は、2000年代初頭のITバブルの熱狂から、リーマンショックによる世界的な金融危機、そして近年のAI技術革新への期待まで、様々な要因によって大きく変動してきました。
特に、孫正義氏の経営判断や、ソフトバンクグループ全体の投資戦略が、子会社であるソフトバンク(9434)の株価にも間接的に影響を与えてきた歴史があります。(出典: 日本経済新聞)
株価の歴史を動かした5つの主要フェーズ
ソフトバンクの株価推移は、大きく分けて以下の5つのフェーズで捉えることができます。
- ITバブルの熱狂と崩壊: 1999年〜2002年(主にソフトバンクグループ9984の歴史)
- 通信キャリアへの転身: 2004年〜2007年(主にソフトバンクグループ9984の歴史)
- リーマンショックの危機: 2008年〜2012年(主にソフトバンクグループ9984の歴史)
- 投資会社への進化とアベノミクス相場: 2013年〜2018年(主にソフトバンクグループ9984の歴史)
- AI戦略と現在の株価: 2019年〜現在(ソフトバンク株式会社9434の上場後)
これらのフェーズごとに、株価がどのように変動し、その背景に何があったのかを深掘りしていきます。
【第1章】ITバブルの熱狂と崩壊(1999年~2002年)
まずは、ソフトバンクグループ(9984)の株価が最も劇的な変動を見せたITバブル期を振り返ります。当時の熱狂と、その後の崩壊が株価に与えた影響を見ていきましょう。
なぜ株価は100倍以上に?当時の熱狂と期待の正体
1999年から2000年にかけて、インターネット関連企業の株価が世界中で高騰しました。ソフトバンクグループ(9984)もその中心にあり、米Yahoo!への先行投資やITベンチャー支援が市場から高く評価されました。
2000年2月には、ソフトバンクグループ(9984)の株価は分割補正後で約11,000円(実質当時198,000円)という驚異的な高値を記録。
わずか数年で株価が100倍以上になるという、まさに「夢」のような時代でした。当時の時価総額は一時的にトヨタ自動車を上回るほどでした。(出典: 四季報オンライン)
頂点から80分の1へ、バブル崩壊で何が起きたのか
しかし、この熱狂は長くは続きませんでした。2000年3月には米ナスダック市場が暴落し、ITバブルは急速に沈静化します。
ソフトバンクグループ(9984)の株価も例外ではなく、わずか2年半後の2002年11月には、ピーク時の約80分の1となる138円まで急落しました。
これは、利益が伴わない「将来性」への過度な期待と、金融引き締めが重なった結果と言えるでしょう。(出典: プレジデントオンライン)
当時の投資家の体験談「天国と地獄」
当時の投資家たちは、株価が連日ストップ高を記録する中で「買えば儲かる」という幻想を抱き、全財産を投じるケースも少なくありませんでした。
しかし、バブル崩壊とともに資産は瞬く間に溶けてしまい、深い後悔の念を抱いた体験談が数多く残されています。(出典: note)

ITバブル期の体験談を調べていて印象的だったのは、多くの個人投資家が「夢を見て猛買いした結果、大損失を被った」と語っていることです。まさに「天国と地獄」を味わった投資家たちの生の声は、歴史の教訓として非常に重いと感じました。
【第2章】通信キャリアへの転身劇(2004年~2007年)
ITバブル崩壊の痛手から立ち直るべく、ソフトバンクグループ(9984)は新たな成長戦略を模索します。その転換点となったのが、通信キャリアへの本格参入でした。

ボーダフォン買収は、当時「無謀な賭け」と見られていました。しかし、この巨額投資が後のiPhone独占販売に繋がり、ソフトバンクの事業構造を大きく変えたことを考えると、孫正義氏の先見の明には驚かされます。
日本テレコム買収とヤフーBB事業の拡大
2004年、ソフトバンクグループ(9984)は日本テレコムを買収し、固定通信事業に参入します。さらに、ADSLサービス「Yahoo! BB」を積極的に展開し、ブロードバンド市場での存在感を高めていきました。
これらの動きは、後の携帯電話事業参入への布石となります。
運命のボーダフォン日本法人買収と市場の反応
2006年、ソフトバンクグループ(9984)は英ボーダフォンから日本法人を1兆7,500億円という巨額で買収します。
この買収により、ソフトバンクグループは全国規模の携帯電話インフラと、約1,500万人の顧客基盤を一気に手に入れ、通信キャリアへと本格的に転身しました。(出典: JRIレビュー)
買収発表直後は、巨額の借金負担への懸念から株価は一時的に急落しました。しかし、携帯電話事業という安定した収益源の獲得が長期的に評価され、その後は株価も上昇基調に転じました。
iPhone独占販売が株価に与えたインパクト
2008年、ソフトバンクグループ(9984)は日本で初めてiPhoneの独占販売を開始します。
当時、革新的なスマートフォンとして世界中で注目を集めていたiPhoneの販売権を獲得したことは、ソフトバンクのブランドイメージを飛躍的に向上させ、新規顧客獲得に大きく貢献しました。
このiPhone戦略の成功は、ソフトバンクグループの通信事業の成長を加速させ、株価にもポジティブな影響を与えました。(出典: ダイヤモンド・オンライン)
【第3章】リーマンショックという未曾有の危機(2008年~2012年)
順調に成長を続けていたソフトバンクグループ(9984)を襲ったのが、2008年のリーマンショックでした。
世界経済を揺るがしたこの危機が、ソフトバンクグループの株価にどのような影響を与えたのかを見ていきましょう。
なぜ株価は半値以下に?世界金融危機の影響
2008年9月、米国の投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻し、世界的な金融危機が発生しました。この影響は日本市場にも波及し、ソフトバンクグループ(9984)の株価も大きく下落します。
当時のソフトバンクグループ(9984)の株価は、2008年9月の約1,500円から、2009年2月には約700円まで、わずか数ヶ月で半値以下に暴落しました。(出典: IG証券)
投資事業のリスクが露呈、当時の財務状況
リーマンショック時、ソフトバンクグループ(9984)は通信事業の収益は比較的安定していたものの、多額の有利子負債を抱えていたことや、ソフトバンクグループ全体の投資事業のリスクが市場から警戒されました。
世界的な信用収縮の中で、投資事業部門が大きな痛手を受けたことが、ソフトバンクグループ(9984)の株価にも悪影響を及ぼしたと考えられます。(出典: 松井証券)
暴落時に投資家はどう動いたか
当時の掲示板やブログには、株価の急落に恐怖を感じて損切りする投資家の声が溢れていました。
しかし、中には「優良企業は必ず回復する」と信じ、安値で買い増しを行った投資家も存在し、その後の株価回復局面で大きな利益を得たという体験談も残されています。(出典: はっしゃんの株価予想)

リーマンショック時の投資家心理を調べていて印象的だったのは、多くの人が「もうダメだ」と狼狽売りする中で、一部のベテラン投資家は「じっと我慢して買い増しした結果、報われた」と語っていることです。
危機時こそ冷静な判断が求められると改めて感じました。
【第4章】投資会社への進化とアベノミクス相場(2013年~2018年)
リーマンショックからの回復期、ソフトバンクグループ(9984)は再び大胆な経営戦略を打ち出します。特に、投資会社としての側面を強化する動きが顕著になりました。

この時期から、ソフトバンクグループ(9984)の株価は国内の通信事業だけでなく、海外の投資先の動向に大きく左右されるようになります。孫正義氏のグローバルな視点での投資戦略が、株価の変動要因としてより重要になったと感じます。
スプリント買収と米国市場への挑戦
2013年、ソフトバンクグループ(9984)は米国の携帯電話事業者スプリントを買収し、米国市場への本格参入を果たします。
これは、国内市場の成熟を見据え、海外での成長機会を追求する孫正義氏の戦略の一環でした。
アリババ上場がもたらした莫大な利益
ソフトバンクグループ(9984)が初期から投資していた中国のEコマース大手アリババが、2014年にニューヨーク証券取引所に上場します。
この上場により、ソフトバンクグループは莫大な含み益を獲得し、その資金力はさらに強化されました。
アリババの成功は、ソフトバンクグループ(9984)の投資戦略の正しさを証明し、その株価にもポジティブな影響を与えました。
アーム買収とビジョン・ファンド設立の衝撃
2016年、ソフトバンクグループ(9984)は半導体設計大手のアーム社を3.2兆円という巨額で買収します。これは、IoT(モノのインターネット)時代を見据えた戦略的な投資でした。(出典: moomoo)
さらに2017年には、10兆円規模の巨大な投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を設立。
これにより、ソフトバンクグループ(9984)は世界中の有望なテクノロジー企業への投資を加速させ、「投資会社」としての性格を一層強めました。この動きは、ソフトバンクグループ(9984)の株価にも、親会社の投資動向がより強く影響するようになる転換点となりました。(出典: ソフトバンクグループ)
【第5章】AI戦略と現在の株価(2019年~現在)
そして現在、ソフトバンク株式会社(9434)はAIを最重要戦略と位置づけ、新たな成長フェーズに入っています。このAI戦略が株価にどう影響しているのかを見ていきましょう。
WeWork問題とビジョン・ファンドの試練
2019年、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先である米シェアオフィス大手WeWorkの経営問題が表面化し、ソフトバンクグループ(9984)は巨額の損失を計上します。
この問題は、投資会社としてのリスクを浮き彫りにし、ソフトバンクグループ(9984)だけでなく、子会社であるソフトバンク(9434)の株価にも一時的に悪影響を与えました。
コロナショックとその後の株価回復
2020年には、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、世界経済は大きな打撃を受け、株価も一時的に急落しました。
しかし、その後は各国政府の経済対策や、デジタル化の加速により、株価は急速に回復しました。
ソフトバンク(9434)も、通信事業の安定性や、巣ごもり需要によるデータ通信量の増加などが追い風となり、株価は回復基調を辿りました。
AI戦略本格化による期待と現在の株価水準
現在、ソフトバンク株式会社(9434)は「AI革命」を最大のチャンスと捉え、国産大規模言語モデル(LLM)の開発や、AIデータセンターの構築、OpenAIとの連携など、AI分野への投資を本格化させています。(出典: ソフトバンク株式会社)
これらのAI戦略への期待感が、現在のソフトバンク(9434)の株価を押し上げる主要因の一つとなっています。2024年10月の株式分割も相まって、個人投資家からの注目度も高まっています。
▼次のステップ:未来の株価を予測する
過去20年の株価推移を理解した上で、次に気になるのが「AIや専門家は将来をどう予測しているのか」ではないでしょうか。その疑問に、この記事が答えます。
→ ソフトバンク株価の今後をAIが予測!5年後・10年後の見通しは?専門家分析も

ソフトバンク株価の歴史に関するよくある質問(FAQ)
- QQ1: 過去の最高値と最安値はいくらですか?
- A
A1: ソフトバンクグループ(9984)の株価は、ITバブル期の2000年2月に分割補正後で約11,000円(実質当時198,000円)の最高値を記録し、バブル崩壊後の2002年11月には138円の最安値まで下落しました。
ソフトバンク株式会社(9434)は2018年12月上場後、2025年11月時点での年初来高値は248円(8月)、最安値は217円前後で推移しています。
- QQ2: 株式分割は過去に何回行われましたか?
- A
A2: ソフトバンク株式会社(9434)は2024年10月に1株を10株に分割する株式分割を実施しました。ソフトバンクグループ(9984)としては、それ以前にも複数回の株式分割を行っています。
- QQ3: なぜソフトバンク(9434)とソフトバンクグループ(9984)の株価推移は違うのですか?
- A
A3: ソフトバンク株式会社(9434)は国内通信事業が主力の子会社であり、比較的安定した収益基盤を持ちます。
一方、ソフトバンクグループ(9984)は世界中のテクノロジー企業に投資する親会社であり、投資先の動向や世界経済の影響をより強く受けるため、株価推移が異なります。
まとめ:ソフトバンク株価の歴史から学ぶべきこと
ソフトバンクの株価の歴史は、壮大なビジョンと、それに伴う巨大なリスクの繰り返しだと感じます。
この歴史を知ることで、単なる数字の羅列ではなく、当時の社会情勢や経営者の決断、そして投資家たちの感情が株価を動かしてきたことが見えてきます。この歴史を知ることで、未来のニュースの見方が変わるはずです。
最後に、本記事で解説したソフトバンク株価の歴史から学ぶべきポイントをまとめます。
本記事の要点まとめ:20年の株価推移のポイント
- ソフトバンク株価は、ITバブル、ボーダフォン買収、リーマンショック、AI戦略など、時代の大きな節目で大きく変動してきた。
- ITバブル期には過度な期待で高騰し、その後の崩壊で暴落を経験した(主にソフトバンクグループ9984)。
- ボーダフォン買収により通信キャリアへと転身し、安定した収益基盤を確立した(主にソフトバンクグループ9984)。
- リーマンショックでは投資事業のリスクが露呈し、株価は大きく下落した(主にソフトバンクグループ9984)。
- 現在はAI戦略への期待感が高まり、再び上昇基調にある(ソフトバンク株式会社9434の上場後)。
歴史から読み解くソフトバンク株の「リスク」と「リターン」
ソフトバンク株の歴史は、「ハイリスク・ハイリターン」という投資の原則を如実に示しています。
孫正義氏の大胆な経営判断は、時に株価を大きく押し上げる原動力となる一方で、巨額の投資に伴うリスクも常に存在します。
この歴史を知ることで、今後のソフトバンク株への投資を検討する上で、どのようなリスクとリターンがあるのかをより深く理解できるでしょう。


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